脱水症と熱中症と熱射病#229

Voicy更新しましたっ!

今回は、脱水症・熱中症・熱射病の違いについて。

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脱水症・熱射病とは

前回熱中症についてのことでしたが、「熱射病」「脱水症」という症状も聞いたことがあると思います。

たまに、そういったものを総称して「熱中症」とも言われがちですが、それぞれ違いがあります。今回はそれらについてまとめてご紹介していきたいと思います。

 

脱水症は体から水分、ミネラルが大きく奪われた状態

まず脱水症ですが、これは文字通り体から水分が無い、脱水症状を引き起こしている状態です。

脱水症状とは、暑い日に汗をたくさんかいたから、という原因に限ったことではないということです。

例えば胃腸炎でおなかが下って、さらに嘔吐もしてしまった状態で脱水症状になれば、胃腸炎による脱水症ノロウイルスであればノロウイルスによる脱水症、という風に言われます。

熱中症においては、熱中症の前段階で脱水症になる、という認識が正しいと思って頂ければ大丈夫です。

 

熱射病は、熱中症がさらに進んだ状態

もう一つ、熱射病というものがありますが、これは熱中症が最も重度になった状態で起こる病です。

熱中症は3段階に分かれており、初期症状としてめまい、立ちくらみ、足がつるとかこむら返りなどがあります。ちなみに、この状態にプラスして、大量に汗をかいていれば、まだ初期症状と言えます。

その次に筋肉のけいれんや、意識がもうろうとしてくる、集中力や判断力が明らかにおかしい、というようなことが起きます。

こうなると、自分から水分補給をしようとしてもうまく飲めない、などが起きる可能性もあるので、場合によっては救急車が必要な事態になります。

ここからさらに進んだ、3段階目が熱射病となります。

体温は40度を超え、体温調節が自力では完全にできなくなり、汗も出ていない、というような状態です。

この状態が熱射病です。一番危険で、一刻を争う状態と考えてください。

 

やはり「脱水しない」ことが大切

ですので、水分補給をこまめに、と色々なところで言われるように、「脱水症」を起こさない、ことが一番必要です。

特に夏場注意したいのが、お酒の飲みすぎによる熱中症です。

例えばビアガーデンでビールをたくさん飲む、というのは、以前アルコールが水分補給にならないとお話したように、アルコールの分解に水分を大量に使うため、体内の水分がどんどん失われていきます。

なので、こちらも以前ご紹介したように、チェイサーなど一緒にお水を飲んで、水分補給をしながら、お酒を楽しむなどの対策をしてください。

 

ミネラルの補給も必要

また、水分と一緒にミネラルも失われるため、やっぱりスポーツドリンクや経口補水液と言ったものが便利です。

ただ、経口補水液は特に吸収率が高いうえ、塩分も非常に高いので、普段から飲むのは辞めてください。暑い時とか、嘔吐してしまって水分が失われている、と感じるときだけ飲むようにしてください。

 

 

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属