質問より!副鼻腔炎ってどうすればよいの?#277

Voicy更新しましたっ!

今回は、質問を頂いた副鼻腔炎の話。

健康情報を声で聞ける!

医療・健康ナビ なくすりーなはこちらから聞いてみて下さいね^^v

 

副鼻腔炎とは

副鼻腔炎と言う病があります。

風邪から副鼻腔炎になることが非常に多く、また1度なるとまたなりやすくなるという特徴もあります。

今回はこの副鼻腔炎についてのお話です。

 

喉に来る扁桃炎と、鼻に来る副鼻腔炎

副鼻腔炎は、風邪から悪化してなることが多いもので、喉であれば扁桃炎のようなものです。喉に来る風邪が悪化して扁桃炎へ、咳の症状が悪化して咳喘息という風に、鼻の症状が悪化すると副鼻腔炎になる可能性が高まります。

体質も非常に大きな要因で、なりやすい人となりにくい人の両方がいます。

副鼻腔炎は鼻に来るものなので、症状は鼻水や鼻づまりです。

まず鼻水の持つ役割とは、鼻の中の粘膜を覆うものです。鼻から空気を取り入れて呼吸をしますので、ほこりやウイルスなど異物が入ってきます。鼻水によってそれを防いで、体内に入らないようにします。

その鼻が炎症を起こすことで、鼻詰まりなどの症状が出ます。これが副鼻腔炎です。

 

急性・慢性・好酸球性副鼻腔炎の3つ

副鼻腔炎は大体3種類があり、まず一般的な風邪による鼻づまりなどで起きるのは急性副鼻腔炎です。

鼻の穴とつながっている、顔の中に副鼻腔と言う部分があります。

鼻の穴と副鼻腔をつながる道の部分で鼻水が分泌されて行きますが、ここに炎症が起き、詰まってしまいます。すると外部への道がふさがるため、鼻水が行き場を失い、鼻詰まりとなります

風邪のウイルスによって膿がたまると、黄色とか緑がかった鼻水になります。

また、場合によっては穴はふさがっていても、喉は開いているため鼻水を飲み込むとか、喉に落ちて行くことがあります。

風邪をひいたときに鼻水で困っているときに見られる、飲み込むようなあの感覚はこの仕組みによって起きています。

またこうした炎症が何度も起きることで、鼻茸という膿によるポリープが出来てより頻繁に起こる、慢性副鼻腔炎になります。

これは一昔前によく言われていた「蓄膿症」のことです。

 

アレルギー性のものは好酸球性副鼻腔炎の可能性が

そして花粉症など、アレルギー反応で鼻水が出るのは好酸球性副鼻腔炎とされていますが、はっきりとはまだ分かっていません。

好酸球と言う白血球の一つが副鼻腔に充満することで、副鼻腔炎のような症状が起きます。最大の特徴がもちのような白い色でねばねばとした、明らかにおかしい鼻水が出る、というものです。

これは普通に鼻をかむぐらいじゃ全然出てこないぐらいのもので、言い換えれば鼻茸、ポリープも大量にできてしまう可能性があります。

 

副鼻腔炎の治療は風邪を治すこと

まず前提として、鼻詰まりが片方だけ起きている場合は副鼻腔炎ではないのと、重大な病が隠れている可能性があるので早めに耳鼻科に行ってください。

両方共も詰まっているのであれば副鼻腔炎と考えてください。

これらの治療ですが、基本的には風邪の症状から起きるものなので、治療法はそんなにないです。逆に言うと風邪を治療することが副鼻腔炎の治療につながります。

風邪と同じように、ゆっくり休んで早く寝る、栄養と水分をきちんと取ることをしてください。

ただ細菌が原因の場合は重症化する可能性があり、例えば日に日に頭痛が強くなるとか、頬の裏ら辺が痛くなるとかの場合は、副鼻腔炎が重症になっているサインなので、すぐ耳鼻科に行ってください。抗菌薬を飲むと徐々に引いていきます。

 

漢方も便利

ただ、痛みは無いけど何となく鼻詰まりが治らない、症状が地味に続いているとかの場合は漢方も便利です。

おすすめが加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)というものです。症状が副鼻腔炎と合致したものであれば、かなりはっきりと効きますのでおすすめです。

ただ、もし2週間以上続いていたら、慢性化を防ぐためにも耳鼻科に行ってみてもらってください。

慢性の場合は、完全に治るまで抗菌薬を3か月ぐらい飲み続ける必要があります。なので初期であれば漢方で治すのも良いですが、慢性化の事を考えると、早めに病院さんで治療していくのが最善かとは思います。

ただ、実は副鼻腔炎の予防になる漢方があり、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)というものがあります。これは予防とか、副鼻腔炎の再発防止に役立つもので、体質改善にも効果があり、1年ぐらいは飲み続ける必要があります。

飲むのを途中でやめてしまうと逆に悪化するので、本当に慢性的に副鼻腔炎になるとか、どうにか改善したいという時は検討してみてください。

最後に好酸球性副鼻腔炎ですが、アレルギーの治療をすると、症状が改善します。つまりステロイドが有効で、飲み薬もそうですが点鼻薬のものもあります。場合によってはポリープを手術して切除することもあります。

耳鼻科のお医者さんと相談して、決めてください。

 

副鼻腔炎の予防は、風邪の予防と同じ

治療法が風邪と似ているように、予防法も風邪とほとんど同じです。

規則正しい生活をして、保湿をきちんとするなどです。

ただ体質的にどうしても鼻詰まりが起きやすい、などという方はいると思いますが、そういった方はまず「自分は副鼻腔炎になりやすい」と自覚しておくことが大切です。

普段から鼻をいたわることが重要ですが、例えば鼻洗浄や鼻うがいもやってみてください。

おすすめなのが「ハナノア」というものでドラッグストアによく置いています。ボトルの中に生理食塩水を入れて、片方の鼻に流して反対側の鼻から出してうがいをする、というものです。

生理食塩水は体の中の水分とほぼ同じなので、一般的な真水とは違って全く痛くないので、慣れてきたら簡単にできます。

難しい時は耳鼻科で副鼻腔洗浄、というのがあるので、お医者さんの手でやってもらうというのも便利です。

 

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属