インフルエンザ前編風邪との違いは?#283

Voicy更新しましたっ!

今回は、インフルエンザの話を2回に分けて。

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インフルエンザは対策出来る病

毎年ほぼ必ず「インフルエンザ」が流行します。

インフルエンザは対策をしておけば、感染のリスクはかなり減ります。

インフルエンザはどのように人から人へ感染するのかが分かっているので、どういったところに気を付けたら感染のリスクが減るかが、分かっているためです。

ただ、どうしても、一般的に身についていない、広まっていないのが課題と思っています。もっと広まれば、流行は大きく抑えられますので是非注意していただければと思います。

 

軽い風邪では病院に行かない

これまでも度々お伝えしていますが、まず「軽い風邪」なら病院に行かないで様子を見る、ようにしてください。軽い熱でも病院に行かないで様子を見てください。

今は持っていないのに、病院でインフルエンザのウイルスをもらってしまう、ことは本当によくあります。特に冬の時期の病院はインフルエンザの患者さんが非常に多く、何となくで病院に行ってしまうとより重症化する、ことは珍しくありません。

ただ、お子さんの行く幼稚園や保育園から病院に行くように言われたり、会社から診断書みたいのを求められて、嫌々で病院に行くと言う場合が多いのもあると思います。

「インフルエンザが陰性」だと分からないと出社できないとか、現状のシステム上難しい事もあると思います。こうしたことも変えて行ければ、インフルエンザはもっと減ると思います。

 

風邪とインフルエンザの違い

インフルエンザと風邪の違いですが、どちらもウイルス性のものですが、インフルエンザはインフルエンザウイルス、普通の風邪はアデノウイルスとかエンテロウイルスなどが一般的な風邪菌、とされるものです。

症状はどちらも風邪の症状で、一概には言えないですが、インフルエンザは38度以上の高熱が出て、普通の風邪は微熱が長く続く、と言うのが一つの目安になります。

もう一つが、インフルエンザは体の全身に痛みや筋肉痛、寒気が出るとか、食欲が大きく無くなるなどは、インフルエンザの可能性が高いです。

普通の風邪であれば喉や鼻、咳の症状が主で、全身の痛みなどはあっても軽いもので、ほぼありません。

全身の症状が重い場合は、インフルエンザを疑ってみてください。

 

インフルエンザの発症は個人差が大きい

もう一つ、インフルエンザは急激に症状が進むという特徴があります。朝何ともなかったのに12時間ぐらい経って夜になると一気に高熱になったとか、何となく喉に違和感があった程度だったのに朝起きたら凄く喉痛くなるとかです。

ただこれらがあっても、100%インフルエンザと言うわけではありません

個人差が非常に大きく、感染していても微熱ぐらいしかないとか、ほとんど発症しないことがあります。なので周囲にインフルエンザの方がいると分かって、自分に風邪の症状が出てきたら、インフルエンザの可能性を疑ってみても良いと思います。

 

インフルエンザの検査をしても、すぐには判定できない

軽い風邪であれば病院に行かない、と言いましたが、インフルエンザとは実は、かかってからすぐに検査をしても、陽性にはならず陰性と判断されます。

結果的に陰性と安心してしまい、感染が広まってしまいます。よく患者さんでも1回行って大丈夫だったけどやっぱり調子が悪いからもう1回行ってみたらインフルエンザだった、という方がよくいます。

検査が正確にできるのが、熱が出てから12時間ほど経ってからなのです。

さらに、インフルエンザは、ゆっくりと1日か2日安静にして栄養を取っていたら、自力で治る病でもあります。

安静して出来る限り外出をしないで休むのは、自力で充分治すためでもあります。

 

薬を使うと、熱はすぐ下がる

病院でインフルエンザを診断されて、薬を飲んで休んだ時、意外に早く熱下がって調子が良くなる事は非常に多いです。

なぜかというと今の薬はかなり効果が強いので、大体飲んでから一晩寝るとか、半日経ったら元気になることが多いです。ただそれでも、熱がなくなったとしてもウイルスは持っていて、周りにうつす可能性は充分あり、逆にもらう可能性ももちろんあります。

なので大体、大人の場合だと熱が下がったときから48時間は外出しないで安静にしている、お子さんの場合は72時間で丸3日家でしっかりと休んでください。

アーカイブでも何度か風邪、ウイルスなどについてお伝えしているので、是非合わせて聞いていただければと思います。

さらに、次回もインフルエンザに関してお伝えしますので、是非ご覧いただければ幸いです。


この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属