堀ちえみさんの舌がんについて解説っ!#295

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舌に「がん」ができる

先日、歌手の堀ちえみさんが「舌がん」で舌を切除するという大手術をしました。

がんは体のいたるところにできますが、舌にもできます。口の中にできるがんで、頬の裏とか上あご下あごにもできることがあります。

このうちの6割ぐらいは、舌にできるのが特徴です。

 

舌の両側が固くなるのがサイン

舌がんのサインとなるのが、舌の両側が固く、しこりのようになっている状態です。

これは炎症によるものですが、この時は痛みが出るとは限りません

徐々に口内炎のような痛みが出てきて、出血となって現れます。

こうしたことがあるため、口の中のがんはほかの場所のがんよりも見つかりやすい、という特徴があります。確定診断は専門医ではないと難しいため、この場合は口腔外科のお医者さんに見てもらうのがベストです。

一つ注意して欲しいのが、口の中に白い板が張り付いているように見える症状です。これは前癌状態で、がんになる手前の状態ではないかと考えられています。

白板症と言い、白い粘膜が板のように口の中に広がっている状態で、ネットで調べるとすぐわかると思います。

がんの可能性があるので、もしこれを見つけた場合は病院でとってもらってください。

 

舌がんの原因・特徴

舌がんの原因は、がんそのものも分かっていないことが多いため一概には言えませんが、お酒やたばこ、辛い物と言った刺激物が原因の可能性が高いです。

また、合わない入れ歯で舌が常に刺激を受けているというのも原因の一つ、と言われています。

口内炎と大きく違うのが、いきなり強い痛みを感じるのが口内炎で、痛みがほぼ無い、ものすごく弱い状態から徐々に強くなってくるのががん、というものです。

あともう一つ、口内炎は炎症なのでステロイドを塗ることでかなり素早く改善できます。

ステロイドを使わずとも、ビタミン不足などのような体調不良によることも非常によくあるので、ビタミン類を取ってよく休んだらいつの間にか治ってた、という事もよくあります。

大体1週間ほど、長くても3週間以内には治ることが多いです。

逆にそれ以上続くとか、薬を塗っても全く意味がない場合は口腔外科さんに見てもらってください

 

堀ちえみさんの舌がんの発見が遅れた理由

報道でも度々触れられていますが、堀ちえみさんの舌がんは進行した状態での手術となり、非常に大変なものになりました。

ニュースをいくつか見ると、薬の副作用だと思っていた、というようなことがありました。

これは実は、リウマチの薬に口内炎の副作用がある、ためです。

口内炎が起きないリウマチの薬もありますが、口内炎が起きる可能性のあるものはかなりメジャーなもので、現在でも使われています。

これはつまり、処方するお医者さんも口内炎は副作用だと思ってしまうという事がよくあります。このような場合だと、見つけやすいはずの口の中のがんでも、見逃してしまいやすいのです。

 

軽い相談は是非、薬剤師へ

こうしたときにもセカンドオピニオンが便利ですが、ただそれだけで口腔外科にかかるのも難しいかもしれません。そこで便利なのが、薬の副作用についても詳しい薬剤師です。

薬剤師は副作用についてはお医者さんよりも専門です。

口内炎かがんかの判断は全く出来ないですが、この口内炎が薬の副作用かどうかはお医者さんよりも詳しいので、答えられます。

「これって副作用なのかな」というようなことがあったら、是非遠慮なく薬剤師に聞いてみてください。

 

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属