今シーズンのインフルエンザを総括っ!#302

Voicy更新しましたっ!

今回は、今シーズンのインフルエンザの総括を

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過去10年で最高を記録した2018年のインフルエンザ

2018年冬から、19年春のインフルエンザシーズンですが、現状はかなり落ち着いてきて、ほとんどいなくなった感じにはなってきました。

実は、今回のインフルエンザは過去10年間で、最も多い患者数を記録したシーズンです

国立感染症研究所が毎週金曜日にグラフを出すのですが、これを見るとピーク時の数字は過去10年で一番高いです。

さらに例年と違って特徴的なのが、ピークの後が長く続かず、すぐに収まって行ったのです。

今回は去年冬からのインフルエンザについて、そして今年冬から来年春のインフルエンザについて少しお伝えしていきたいと思います。

今年のインフルエンザは「A型」に原因があるかも

今年のインフルエンザは、確かに薬局でも痛感していました。

患者さんが多く病院もてんやわんやだったのはもちろんですが、ゾフルーザという新しい薬が出た年でもあります。

通常はイナビルを良く出していて、吸入タイプなのでお渡しするたびに説明をしていましたが、ゾフルーザはその必要が無く、素早く渡せたためなんとか対応しきることができました。

そして、ピークが過ぎた後、患者さんの数の激減も実感しました。

なぜ今年のインフルエンザがこうなったのかは、個人的に考えると「A型」のインフルエンザに原因があると思っています。

通常、一般的にはA型が早い段階で流行り、その後遅れてB型が少し流行って終わる、というのが例年でした。

今年に最初に流行ったA型のインフルエンザは2種類あり、ほぼ同時に爆発的に2種類が流行ることはそうそうないので、初期のものが非常に速いペースで流行ってしまったのが、患者さんの激増につながったと考えています。

収束が早まったのはB型に原因

流行るのが早いのと同時に、終わるのも早くなってしまったのはB型に原因がある、と思います。

通常であればピークと同じぐらいの週が2週ほどはそのまま続いて、それから徐々に落ちて行きますが、今年はそういったことが無かったのです。

通常、A型だけではなくB型もある程度は流行りますが、それが今年は全く来なかったのです。

言ってしまえば、最初からB型の方は全然来なかったレベルで、もちろん最近でもほとんど来ていません。

2種類のA型ウイルスにかかっていた可能性が

例年であればA型にかかったという方が、またしばらくしてB型にかかってしまい、1年でAとB両方のインフルエンザを経験する、という方が毎年ある程度います。しかし、今年はうちの薬局にはそういった方は一人もいませんでした。

地域にもよると思いますが、うちではこんな年はまずありません。

これはおそらくですが、前述したように2種類のA型のウイルスが流行っているので、その2種類に同時にかかっていたという方がいたのかもしれません。

ただやはり、そもそもがB型のウイルスが少なかった、というのが収束が早かった理由と思います。

爆発的なピークが、予防の意識につながった

収束が早まったのは、爆発的なピークで、予防の意識が広く高まったのも原因と思いました。

ニュースなどでも話題になって、また周りの人もインフルエンザになった方が多いことから、予防の意識が高まったいうことです。あと年明けてインフルエンザワクチンを打ったという方が非常に多いと思いますが、これがB型に効果てきめんで、効果があったのも理由に考えられます。

だいぶ前に少し触れましたが、ワクチンは大体4種類のウイルスを弱くしたものが入っていて、AとBの両方を入れています。

これを体に入れておくことで、インフルエンザウイルスに対する強い免疫を作るのですが、ウイルスは4種類では収まらないほどの数が存在していて、何が流行るかを世界中の情勢を見ながら作っています。今年のワクチンが、今年のB型において最適なもので、一気に効いたという可能性があります。

インフルエンザの可能性があればすぐ病院へ、は間違い

最後に、何度もお話しているように、インフルエンザが流行っているときに軽い症状で病院に行くのは、出来るだけ避けてください。

インフルエンザにかかっていない時に、軽い風邪で病院に行ってしまうとすぐにインフルエンザにかかり、また受診しに行く、という事があります。

そうならないように、普段から手指を消毒していく、お茶やお水をこまめに飲む、そしてワクチンを早めに打つ、といったことをして予防していきましょう。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属