流行り始めた水ぼうそうと帯状疱疹の関係は?#377

Voicy更新しましたっ!

今回は、冬場に流行りやすい「水ぼうそう」「帯状疱疹」のお話

健康情報を声で聞ける!

医療・健康ナビ なくすりーなはこちらから聞いてみて下さいね^^v

 

大人から子供まで気をつけたい「水ぼうそう」と「帯状疱疹」

今時期と言えばインフルエンザの流行が有名で、予防接種も今ぐらいからしておくのがおすすめですが、それ以外にもう一つ、水ぼうそうと帯状疱疹についても注意してください。

お子さんにかかりやすい水ぼうそうと、子供のころに水ぼうそうにかかった大人の方にかかりやすい帯状疱疹、どちらも触れていきますので、是非参考にしていただければと思います。

 

水ぼうそうは冬に注意

まず水ぼうそうですが、これは家にお子さんがいる方であれば、ある程度はご存知かと思います。

水ぼうそうも帯状疱疹もどちらも同じウイルスが原因で、「水痘帯状疱疹ウイルス」というウイルスにかかったことで発症します。

経路は接触感染、飛沫感染、空気感染の全てで感染、発症する可能性があるという非常に厄介な病です。

さらに、感染しやすい順は前述の順番で、空気感染が最も感染しやすいのも水ぼうそうの特徴です。

つまり、水痘帯状疱疹ウイルスを持っている人とすれ違っただけでも、およそ10人に一人ぐらいの割合で、感染する可能性がある、ということです。

また帯状疱疹と同じウイルスですので、帯状疱疹が発症している方からの感染で水ぼうそうが発症することもあります。

流行はインフルエンザと同じく、11月ごろから春先が一番流行して、夏は一番少ないのが特徴です。

症状は発疹と同時に、40度ぐらいの高い熱が出ることが一般的で、発疹が水ぶくれになり、かさぶたになって次第に治っていく、というものですが、当然ながら水ぶくれは非常にかゆいので、かいてしまうことで雑菌が入って化膿したり、菌が置くまで入って肺炎や脳症を起こして重大な病になる、ということもあります。

 

成人して初めてかかると重症化しやすい

そして、水ぼうそうは子供のころにかかりやすい病ですが、まれに子供のころに一回もかからず、成人になって初めてかかって発症することがあります。

成人になって初めてかかった場合は、15%以上の割合で肺炎を起こすことがあるとか、熱も高熱で風邪とは違うため治りにくいという特徴があります。

特に妊婦さんがかかってしまうと、胎児のお子さんに影響が出ることがあり、先天性水痘症候群という、水ぼうそうの免疫が作れない体質になってしまう危険がありますので、特に充分な注意が必要です。

 

水ぼうそうの治療

水ぼうそうと帯状疱疹は発症してしまっても専用のお薬があるので問題なく治療できます。

飲み薬でウイルスを治すのと、かゆいところは「カチリ」というお薬、熱は「アセトアミノフェン」で熱冷ましをして治していきます。

水ぼうそうは感染してから発症までの間、20日ぐらいの潜伏期間があるため、その間にワクチンを打っておくと発症しても症状が軽く済むので、とても便利です。

 

帯状疱疹とは

水ぼうそうと併せてお伝えしたい、帯状疱疹についてですが、前述したように水ぼうそうと同じウイルスによっておこる病ですが、実はこのウイルスは水ぼうそう一度かかってしまうと、体の神経の中にずっととどまるという特徴があります。

そこでストレス、疲労や加齢などで免疫力が下がった時や、周りに水ぼうそうが発症した方が要ると、ウイルスが活発になって発症します。

これは水ぼうそうから帯状疱疹としてうつるものではなく、体内にあるウイルスが刺激されて、活発になることで発症します。

若い方でも発症する可能性はありますが、60歳以上の方であれば、水ぼうそうよりも特に注意が必要なのが、帯状疱疹です。

症状の特徴としては、発疹はもちろんですが、その発疹がかゆみよりもピリピリとした痛み、違和感がある場合は注意してください。

その発疹が腕や顔に帯状に出ると、それはその部分に走っている神経に沿って出ているので、完全に帯状疱疹となります。

水ぼうそうと同じウイルスなので、治り方は同じで、水ぶくれができてかさぶたになって、自然と治っていきます。

ただし、厄介なのが神経に傷がついてしまうため、発疹がきれいに治ったとしても、神経痛として痛みだけが残ることがよくあります。

正式には帯状疱疹後神経痛と言い、例えば治療の開始が遅くなってしまうとか、症状が長引いてしまうと起こりやすく、短くても3か月ほどはずっと痛みが残ってしまう、ということも充分あります。

特に、顔の帯状疱疹が三叉神経から起きることがありますが、ここで起きてしまうと痛みが非常に強く、合併症のリスクもあるため、もしやと思ったらすぐに皮膚科さんに行ってみてください。

帯状疱疹の治療は水ぼうそうと同じように、飲み薬と塗り薬ですが、帯状疱疹ではもう一つ、痛み止めもあります。

帯状疱疹の痛みは神経の痛みなので、普通のとは違う痛み止めが必要になります。

 

帯状疱疹・水ぼうそうの予防

予防についてですが、少し触れましたが、ワクチンがあるため水ぼうそうも帯状疱疹も予防接種が出来ます。

特に、お子さんの水ぼうそうの予防接種は、定期で1歳と2歳の2回行うようにします。

1回だけだと発症しても軽症で済みますが、その場合は体内にウイルスを持っている状態ですので、集団感染の原因になりえます。

集団感染でなくとも、身近な親御さんなど、周りの方に潜んでいるウイルスが活発化して、帯状疱疹として出る可能性もあります。

2回、しっかりと予防接種をしておくと、水ぼうそうにはかからないため帯状疱疹にもかからないことになりますので、是非打っておくといいと思います。

また、帯状疱疹の予防にも使えるため、60歳以上の方は是非一度打っておくのがおすすめです。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属