抜け毛の悩み!育毛剤と発毛剤は何が違うの?#380

Voicy更新しましたっ!

今回も頭皮に関連して、抜け毛、そして育毛剤と発毛剤のお話

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抜け毛と育毛剤・発毛剤

さて、今回も頭皮のトラブルの一つを取り上げていきます。

非常に有名で、老若男女問わず気になる「育毛剤・発毛剤についてです。

抜け毛で言われがちなのが、男女で原因が変わる、ということですが、根本的な、一番最初の原因となる部分では、それほど変わらない事もあります。

是非、参考にしてみていただければと思います。

 

髪の毛のサイクル

まず、ご存知の方も多いかもしれませんが、髪の毛の生え変わりのサイクルからまとめて行きます。

まず2年から6年間は、成長期と言われる時期です。この間、髪の毛は伸び続けますので、普段から切ったり整えたりと言ったことをしていきます。

その期間が終わると、およそ2、3週間ほど、退行期と言い、それまで伸びた毛が一度抜けていきます。そして、3か月から4か月ほど、毛穴が休む休止期になります。

それが終わると、再度成長期に入り、またその毛穴から毛が伸びていきます。

ざっくり言うとこれがいわゆる「ヘアサイクル」になります。

このサイクルは頭全体で同じではなく、毛穴ごとでバラバラなので、通常は目立たず、知らないうちに繰り返しています。

しかし、何らかの原因でこのサイクルが乱れてしまい、例えば成長期が短くなって休止期が長くなる、と言ったことがいくつもの毛穴で起きてしまうと、いわゆる薄毛となっていきます。

 

ストレス・生活習慣・男性ホルモンが大きな原因

その原因としては、やはり、前回にも通ずる部分ですが、ストレスや生活習慣が大きな原因になります。代表的な10円ハゲ、円形脱毛症はストレスによってすぐ起きてしまいます。

ストレスが大きな原因ということは、体のホルモンによる影響も受けるということです。

特に男性ホルモンは、実は多い方が髪の毛が抜けやすくなります

男性は薄毛のうち約9割が、いわゆるAGAという、男性型脱毛症(頭頂部が抜けるとか、M字に髪が抜ける)です。

頭頂部やおでこの上、M字状に抜けていくのは、その部分に男性ホルモンが多くあるから、ということです。

もちろん女性も、ホルモンバランスの乱れで様々なトラブルが起きるため、薄毛も起きる可能性はありますが、女性ホルモンは髪の毛を健やかに、良い状態に保つ働きがあるため、女性の方はどちらかと言うと脱毛しにくい、と言えます。

他には頭皮へのダメージも大きく、前回お話したように正しく洗髪できていなかったり、強いパーマやカラーリングで、頭皮や毛穴にダメージになると、傷がついてサイクルが乱れますので、注意してください。

男性も女性も、老若男女問わず、正しく髪を洗って、規則正しい生活をすることが、やはり最大の対策になります。

 

育毛剤と発毛剤の違い

抜け毛の治療を市販のもので、というと、育毛剤と発毛剤があります。

まずこの二つの違いですが、簡単に言うと育毛剤は抜け毛の量を減らせるお薬で、発毛剤は名前の通り毛を生やす効果があるお薬、となります。

ちなみに、発毛剤は医薬品しかないため、ドラッグストアか薬局でしか購入できませんので、注意が必要です。

まず最初の育毛剤ですが、基本的には頭皮の血行を良くして成長を促すとか、炎症を抑えて毛穴を守るという仕組みです。

ただし、育毛剤は、男女で効果のあるお薬が変わる、という点があります。

先述したように、男性の薄毛には独特のメカニズムがあるため、薬の作り方も多少異なります。

例えば最近、新しい成分で「リデンシル」というものがあり、ヘアサイクルを促して成長期の毛穴を増やす働きを持っていますが、これを厚労省はまだ、効果があると認めておらず、医薬品になっていないという現状があります。

いずれ、高い効果が認められて、医薬品の一つとして、リデンシルを用いたお薬が出るかもしれない、という状況になっています。

女性の場合はストレスなどはもちろんですが、頭皮や地肌の状態が良くないことで起きてる可能性もあるので、女性向けの育毛剤には保湿剤が含まれていることが多いです。

まとめると、育毛剤は毛穴の成長を促すため、休眠期の、産毛がうっすら生えているところには効果があるお薬です。

言い換えると、完全に生えていない状態、いわば毛根が死んでると言う言い方をされる場合には、効果がありません。

その時は、医薬品となる発毛剤を使ってみてください。

 

発毛剤で毛穴を再生する

発毛剤は、先述したAGAに効果のあるお薬が有名で、例えばCMでも頻繁に流れるスカルプDメディカルミノキといったものが有名ですが、実はほぼ同じ成分で作られています。

これらを頭皮の地肌につけることで、治療していきますが、どうなるかというと男性ホルモンを抑える働きがあります。

その部分の男性ホルモンの量を抑え、適正な量にすることで治していきますが、必要な期間が最低でも4か月ほどかかるという特徴があります。

効果を実感できる、目に見えて戻ってきた、というまでは、半年ぐらいは必要かと思います。

普通、サプリメントでもそうですが、大概のお薬と言えば、長くても2か月程度使って、効果が出なければ変える、という風にすると思いますが、AGA用のお薬は最低4か月で、半年以上は使い続けて様子を見る必要があります。

第一類医薬品ですので、お売りするときに薬剤師がきちんとお伝えしているかと思いますので、しっかりとお話を聞いて、そして出来るだけ我慢強く、長い目で見て使ってみてください。

 

発毛剤には副作用も

また、発毛剤は医薬品なので、若干ですが副作用もあります。

実はAGAのお薬はどれも、血圧のお薬と似ている作用があり、実際に血圧が下がってめまいが起きたり、立ちくらみ、ふらつきの症状が出る方もいます。

またごくまれに、手足のむくみや顔、お肌の赤みが出ることもあるので、もし万が一そういう症状が出たら使用をやめて、まずはお店の薬剤師に相談してみてください。

ちなみに、リアップは女性向けとして、壮年型脱毛症に効くものが出ています。

普通のリアップと同じく、第一類医薬品なので、必ず薬剤師が見て、それから購入するので、おそらくは大丈夫かと思います。

そしてもし、市販薬で効果が無かったら、やはり、病院で診てもらってください。

薄毛外来というところがあり、基本的には男性のAGA用のが多いですが、最近は女性の薄毛外来があるところもありますので、もしお困りであれば調べてみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属