飲むだけで痩せるは落とし穴?ダイエットサプリの実際#428

Voicy更新しましたっ!

今回は先日少し話題にもなった、ダイエットサプリにまつわるのお話

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「飲むだけで痩せる」ダイエットサプリ??

今年は外出自粛要請がされ、例年よりはなんとなく太ったという方が、おそらく非常に多いと思います。正直言うと自分も少し太りました。

なのでこの辺でダイエットについて触れていきたいと思いますが、今回はその「サプリ」について掘り下げていきます。

サプリメントについては、以前詳しく触れておりますので、そちらも併せて参考にしてみてください。

 

“カット”するサプリ

まず、ダイエットのサプリと言えば一番有名でたくさんの種類があるのが「カット」するサプリです。

炭水化物の吸収を抑える、糖質の吸収を抑える、などのようなものです。

製品で言えば、有名なのはサラシア、ギムネマ、成分で言うと難消化性デキストリンで、トクホの炭酸飲料に入ってコンビニとかでもよく売られていると思います。

こうしたカット系のサプリは、仕組みとしては吸収をゆっくりにして血糖値の上昇を抑える、というものです。

血糖値が上がるとインスリンを出して、血糖値を下げていきますが、このインスリンの働きには、糖分を脂肪に変える働きもあります。

そこで、糖分や炭水化物の吸収をゆっくりにして、血糖値が急激に上がるのを抑え、インスリンの出る量も同時に抑えることで、新たにできる脂肪の量を低く抑えるのです。

ただし、元々食べる量が多ければその限りではなく、また食べる量に関わらずトータルで摂取したカロリー量では変わらないため、きちんと消化しなければ結果的に身についてしまい、太るということになります。

そしてもう一つ、ダイエットで大敵な「脂肪分」の吸収を抑えるタイプですが、まず脂分は腸に行くまでに、体が吸収しやすい形に分解されます。

そして、体に脂として、カロリーとして入って行きますが、脂肪分に作用するサプリは脂のまま腸に行って便として排出する、というものがあります。

なので、脂っこいものをたくさん食べたような時は便利ですが、あくまでも脂分だけなので、糖質が多いものを食べるような、脂分が少ない食事であれば効果はありません。

 

運動に役立つサプリ

運動に役立つサプリを使って、ダイエットを効率よく進める方法もあります。

一番代表的なのが、プロテインを飲んで運動して、筋肉量を増やして脂肪の燃焼量を増やすというやり方です。

最近では食事の代わりにたんぱく質だけを補給して済ませるという使い方もあります。

プロテインの中には、目的に応じて様々な成分を配合しており、例えば7割たんぱく質で3割糖質、という風に作られているものもあります。

なので、糖質を大きく制限して、筋トレをして筋肉をつけるというときに、そうしたプロテインを使うと、目的とは少し違ってくるので注意してください。

ただし、効率よく筋肉を作るためには、糖質はある程度は必要になります。

特にボディビルダーやアスリートのような、栄養とたんぱく質を高いレベルで効率よく摂る必要がある場合では、そう言ったプロテインを活用しています。

プロテイン以外で言えば、BCAAやカルニチンと言ったアミノ酸サプリもあります。プロテインと似ていますが、たんぱく質そのものを取るのではなく、脂肪燃焼を促して筋肉を作っていくので、ダイエットには非常に効果的です。

有酸素運動の前はもちろん、運動中に水分補給を兼ねてとると疲れが取れる効果もあるので、とてもおすすめです。

ただ、有酸素運動であれば30分以上続けないと、あまり効果が出ないとされているので、長時間運動する場合で使うのがベストです。

 

漢方のダイエットサプリ

最後に、漢方にも、ダイエットサプリはあります。

これはどちらかと言うと健康食品ではなく、医薬品に近くなるので、注意が必要になることもあります。

例えば漢方センナ茶で、便秘解消、腸内環境の改善でダイエットする、という事が出来ます。便秘がちな人は、上手く解消出来ればそれだけで体重が1キロ減ることがあります。

コッコアポAとか、ナイトシールという、テレビCMも流れているお薬がありますが、これらは防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)という漢方薬をベースにしたお薬で、同じように便秘解消に効果的です。

さらに、脂肪燃焼効果も、副次的な効果として持っています。日常生活の動き、基礎代謝だけでもある程度は燃えますが、飲むだけで痩せる、とまでは言えません。

基本的にはしっかりとした運動をしないと、脂肪は燃焼していかないので、出来れば運動するようにしましょう。

ちなみに、水太りと思われる方は、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)という漢方があります。これはコッコアポAではなく、コッコアポLというもので製品化されており、例えば下半身太りで、なんとなくむくみがある、水分がたまってるという時に使うと、水分が排出されて体重が落ちます。

もう一つ、大柴胡湯(だいさいことう)という漢方があり、これはビスラットゴールドという名前で製品化されています。これはストレスやイライラとともに太ってきたというような、更年期太りに効果があります。

中高年の方に便利ですが、これは冷え性の人には効かないという特徴があります。

理由としては、凄く平たく言うと、頭がイライラするというと、頭に血が上って、カッカしている感じだと思います。

大柴胡湯はそれを冷やすためのお薬、となりますので、元から冷えている冷え性の人が飲んでしまうと効果がないどころか、冷え性が悪化するので、飲むことが出来ません。

漢方全般に言えますが、自分の持病、体質との相性がありますので、ダイエット目的で使う場合にも、充分注意して使うようにしてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属