あなたの感染対策大丈夫?正しい消毒のやり方は?#436

Voicy更新しましたっ!

今回は今こそおさらいしたい、正しい感染症対策のお話

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依然として感染者数が多い現状

東京でも連日200人越えを記録し、大阪と愛知でも過去最高の数値となっている今現在ですが、実は重症者の数はそれほど増えていないという現状があります。

しかし、以前お伝えしたように、重症者数が増えていないから、そしてただ陽性と確認されただけの無症状感染者が多いから気にする必要はない、という事は全くありません。

旅行を促進するgotoキャンペーンも、制限付きではあるものの正式に開始された今、是非とも、感染症対策というものを見直しておきましょう。

 

手洗いをする・顔を触らないこと

まず、covid-19の前から、インフルエンザや風邪予防として非常に効果的とされている、顔を触らない、という事です。

手は色々な雑菌が付く上に、顔は目、鼻、口、と粘膜がむき出しになっている部分ですので、触ると簡単にウイルスが入り、感染します。出来るだけ顔を触らず、こまめに手洗い、手指の消毒をしてください。

これはもう常識と言ってもいいほど、様々なところで言われていることかと思いますが、おさらいしたいポイントの一つが、手洗いのタイミングです。

一番良いのは、こまめにやることですので、外から帰ってきた時はもちろんですが、トイレの後でも必ず、リビングや自室など、室内に入る前に手洗いをしてください。また、食事をする直前も当然手を洗ってください。

そして、特に注意して欲しいのが、他の人が何か触ってるものを触った後も、出来るだけすぐに手洗いするのがベストです。

不特定多数の人が触ったもので、入り口のドアノブが分かりやすいと思いますが、例えば介護や医療関係のお仕事をされている方は、他の人のものを扱ったときは、必ずすぐに手を洗っています。

また、調理も必ず、手を洗って念入りに消毒してからやるようにしてください。

ちなみに、当然と言えば当然ですが、外仕事で土が爪の間に入ってるというような、何らかの理由で物理的に汚れている場合は必ずその汚れを落としてください。

物理的な汚れが落ちにくいからと言って、アルコール消毒だけをしても全く意味が無いので注意してください。

 

手の洗い方

手の洗い方についてですが、普通に水と石鹸、もしくはハンドソープで洗う場合は、まず手を全体的に濡らして、それから泡を作ってください。

手が濡れていないと泡が立ちにくいので、汚れが取れづらく、ウイルスや菌も流れないということに繋がりますので、必ず濡らして、泡立ててください。

洗う部分は、こちらも今では有名かと思いますが手の甲、親指の周り、爪の間、手のひらのしわの部分、そして手首、と、とにかく手を全体的に洗ってください。

そして、一通り洗ったら、また念入りに水を流して泡を落とします。

時間にして30秒ほど洗うと言われていますが、全体に泡を付けて汚れを落とすように洗うと、自然と30秒ほど経つと思います。

 

アルコールで手指を消毒するとき

次にアルコール消毒する場合ですが、もし水と石鹸、ハンドソープで洗った後にアルコール消毒をする場合は、必ず水気をしっかりととって、それからアルコールを付けてください。

水が手に付いた状態のままだと、アルコールの濃度が薄まってしまい、効果が薄れます。

アルコールを使う場合全てに言えることですが、ボトルのワンプッシュを必ず押し切ってください。一番深いところまで押すと、意外と多い量が出ると思いますが、それで1回分の量ですので、正しい量が出ています。

底まで押し切って手に取って、それを手洗いと同じように指の間から両手首まで念入りにもみ込んでください。乾ききったらアルコール消毒が完了したサインになります。

 

日常の消毒は拭き掃除を意識する

こうした手洗いを踏まえて、日常的な、普段の生活での消毒ですが、拭き掃除をこまめに行ってみてください。

例えば飲食店で、こまめにアルコールでテーブルや椅子と言った共用部を拭いて対策をしているように、家でもこまめに拭き掃除をして行くと、きれいに保つことができ、菌を寄せ付けません。

ただし、手と同じように、必ずきちんと、全体的にしっかりと拭かなければ意味がありません。

アルコールの消毒液は以前もお伝えしましたが、大半は70から80%の濃度のアルコールで、この濃度のアルコールがきちんとウイルスのある場所についていないと、消毒したことにはなりません。

意識して、拭き取り掃除をするのが、日常の消毒としては大切なポイントになります。

ちなみにアルコールは日常保存で飛んでいき、濃度が落ちていくので、早めに使って行く必要があります。

 

covid-19には次亜塩素酸ナトリウム、普通の家庭用洗剤も有効

拭き取り掃除であれば、薄めたキッチンハイターのような、次亜塩素酸ナトリウムの入ったもので拭くのも効果があるので、是非常備しておいてください。

次亜塩素酸ナトリウムを使う場合は手荒れを起こしてしまうので、ゴム手袋があると便利です。

さらに、covid-19においては、家庭用の洗剤も殺菌効果があることが分かっています。

商品名で言うとマジックリンなどで、これはキッチン用、バストイレ用、いずれでも、covid-19のウイルスの働きが落ちることが分かっていますので、もし家にあれば試してみて下さい。

これらは売られている次亜塩素酸水を使うよりも手軽で、コストも安価なので、非常におすすめです。

ただし、あくまでも台所洗剤で消毒できるのはcovid-19、次亜塩素酸ナトリウムで消毒できるのはcovid-19とノロウイルス、という事に注意してください。

 

エアロゾル感染と空気感染について

まず最初に、covid-19は空気感染する、という事を以前の配信で、WHOの発表を基にお伝えしましたが、実はあのケースもエアロゾル感染の一つで、わずかに小さい飛沫からの感染で、正確には空気感染ではありませんでした。

以前も何度か空気感染については触れましたが、空気感染は文字通り、ウイルスが空気に乗って非常に遠いところまで、生きたまま運ばれます。

これを防ぐためにはその場所一帯を隔離するとか、都市を丸ごと完全に封鎖すると言ったことをします。マスクもN95マスクや息苦しいガスマスクのようなレベルのものでなければ防ぐことはできません。

一方のエアロゾル感染は、普通のマスクもすり抜けるような、非常に小さい飛沫からでも感染するというもので、確かに空気感染に近いものではありますが、あくまでも閉鎖された空間の中に漂うというだけですので、空気感染というほどは遠くには飛びません。

なので換気をして、空気の通りを悪くさせなければ、充分防ぐことができます。

 

空間除菌はどうすれば良いの?

これを踏まえて、その室内全ての除菌となる、空間除菌ですが、これはやはり、換気をすることが一番簡単な方法になります。

換気をしなくても、漂っている飛沫に含まれるウイルスを、そのまま殺菌出来れば良いのでは?と思われるかもしれません。

最近では加湿器に次亜塩素酸水を入れたり、クレベリンを使うと言ったことがありますが、実はこれらは無意味で、人体への害の方が強いことが分かっています。

あらゆる方角から、様々なデータが検証されていますが、漂っているウイルスを殺せるのは充分に閉鎖されている空間で、非常に濃い濃度の薬品が漂っている状態になります。

そんな状態を日常生活で起こすことはそもそも出来ず、万一出来たとしても高濃度の薬品が充満している空間になりますので、普通に生活をすることは出来ません。

窓を開ける、換気扇を回すなどで、室内の換気をすることが、空間除菌という点では一番ベストな方法になりますので、これも普段から意識して行っていきましょう。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属