緊急事態宣言延長戦の内容は?#485

Voicy更新しましたっ!

今回は正式に延長が決まった2度目の緊急事態宣言について

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2度目の緊急事態宣言が3月7日まで延長決定

2月7日までとされていた2度目の緊急事態宣言が、先日正式に3月7日まで延長という事になりました。

対象は1都10県で、栃木県のみ当初の予定通り、2月7日で解除されるとの見通しです。

ただ、栃木県では解除後もステージ2相当になるまでは、時短営業の要請処置は継続されるようです。

こういったことも含めて再度、2度目の緊急事態宣言についていくつかまとめて行きます。

ステージ4相当から脱却するまで

以前のおさらいにもなりますが、宣言解除の基準はステージ4相当から脱却する程度、となっています。

そして、ステージ4相当から外れた地域ごとに順次、制限を解除していくという風になっています。

例えば大阪で言うと、感染者数が300人以下程で病床の圧迫状況が緩和されたら解除、東京では500人以下程で同じく病床の圧迫が落ち着いたら、となっています。

実施する内容もほぼ変わらず、飲食店は20時までの時短営業、不要不急の外出の自粛で、人出の7割減が目標となっています。

一点だけ、今回の追加対策として、感染者数が多い地域では高齢者施設の従業員を中心に検査をする、という事が決まりました。

陽性率の推移

今回は少し見方を変えて、陽性率の数字で比べて行きます。

まず今年1月、東京で感染者数が一気に伸びて医療体制も深刻だった年始ごろの陽性率は、一番高いピークの数字で24.5%でした。

これが12日当たりから現象に転じて、21日には10%を切りました。

陽性率と言うと、少し前ツイッターなどネットで、”検査数が減って陽性率は実質50%”、という風に言われましたが、それは間違いです。

1月22日の検査数が1894件で、その日の陽性者数が973人で、単純に検査数の半分が陽性になった、と言われたのです。

実際には、その日に発表される感染者数と言うのは、検査をして当日に陽性になった人をカウントしているのではなく、結果が出る日にばらつきがあります。

ですので単純に、当日の検査数=その日判明した感染者数、とはなりません。

検査数についても、日ごとに差がありますので、感染者数のように1週間当たりの移動平均で見るのが確実です。

これを踏まえると、現在の検査数の平均は8360で、最もピークの時が1万3000か1万5000人程度と、確かに減少傾向にあるものの極端に絞っているようなことはないと言えます。

重症者数の推移

次に重症者数についてですが、2度目の緊急事態宣言にが発出された時点で120名で、以降も徐々に増加して、先々週の20日がピークで160名となりましたが、現在は徐々に減少して来ています。

正確には見忘れてしまいましたが、確か現状で120人程度と、発出時点とそれほど変わらないレベルにあります。

つまり依然として医療の圧迫状況は緩和されていないのです。

以前お伝えしたように、やはり1か月での解除は厳しく、延長という事になったとのだと思います。

今後の見通し

3月7日まで緊急事態宣言となりましたが、まず今回の、かなり制限が緩い緊急事態宣言でも思った以上に効果があるのが、個人的には正直意外でした。

以前も触れましたが、今回のは最初のと違い、全面的な休業要請、休校措置はありません。

普段生活している中でも、前回より人出が減っていないのは、おそらく充分感じていると思います。

それでも実際に、感染者数と陽性率は減少に転じているのです。

また、今は他の一般的な感染症の患者さんもほとんど出ていません。例えば普通の風邪や胃腸炎なんかは、例年であれば冬場は患者さんが目に見えて増えますが、1月の後半ごろにはほとんどいませんでした。

一部では、今回の緩い宣言に意味があるのか、もっと前回のように厳しくするべきという意見もありますが、先述の事を考えてみると、今ではそこまでのような厳しい措置は要らないと思いました。

covid-19が拡大してから、小中学校の教室内でのクラスターは実はそれほど起きておらず、校内の環境も自分が以前行ったところを見ても、換気等の感染対策は徹底されており、感染のリスクはかなり下げられています。

こうしたことを踏まえると、2月末頃で、100から300人前後の感染者数で、同時に病院のひっ迫も解消されて行ければと思います。

加えて、例年では3月以降から気温が上がって来て季節が春になり、感染症が落ち着いてくるので、covid-19も同様に落ち着いて来たら良いかなと思っています。

これからも引き続き、しっかりと日頃から、感染対策をして行きましょう。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属