あなたの薄毛は遺伝なの?加齢なの?対処法は?509

Voicy更新しましたっ!

今回は、友人との何気ない会話で出た、「薄毛」のお話

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「薄毛」って遺伝でなるの?加齢でなるの?

今回はまた趣向を大きく変えて、薄毛についてのお話です。

毛のサイクルや一般的な抜け毛や薄毛、育毛剤などに関することは以前、380回でも取り上げているのでそちらも併せて参考にしてみてください。

簡単にまとめると、人間の「毛穴」の仕組みは、およそ2年から6年ほどはそこから毛が伸び続け、それが2,3週間ほどで抜け、3,4か月ほどの休みを経て、再度生えてくる、というサイクルで流れていきます。

このサイクルが毛穴ごとにバラバラで発生しています。

そして、ストレスや生活習慣の乱れと言った原因で、再度生えてこないとか抜ける毛穴が増えた、という時に、薄毛や抜け毛と言った症状で表れます。

 

AGAって何?

そして薄毛の問題でしばしば出てくる「AGA」とは、簡単に言うと病的な薄毛という事で、BHTという男性ホルモンの物質の一つが、毛を作る細胞の働きを抑えつけてしまい、結果として毛が生えないようになる、薄毛になる、という状態です。

BHTは男性ホルモンとして必要な成分の一つで、男性ホルモンとしてはきちんと働きますが、毛に関してはあまり良くない、と言われているのです。

ちなみに「AGAは遺伝する」と言われることがありますが、これはお母さんの方から、遺伝しやすいという事は実際に言われています。

いわゆる隔世遺伝で、お父さんから直接というわけではないという見方が強いです。これは遺伝学的に根強く言われていますが、詳しくお話すると長くなりますので今回は割愛します。

またAGAは若い世代でも起こり得るのが特徴で、現在でも20代の1割ほどはAGAと言われていて、年齢層が上がるにつれて割合も増えて行きます。

症状としては頭頂部が薄くなる、額が広くなってくると言ったことが起こると、いわゆる初期症状の可能性がありますので、もし心当たりがあればすぐにお医者さんに診てもらうのは一つの手です。

最後に、AGAは男性ホルモンの影響によるところが大きいため、女性にはほとんど起きません。

ただごくまれに発症することがあり、その場合は一部の薄毛というよりも全体的に髪のボリュームが減る、という症状が多いです。女性の方も、全体的な髪のボリュームについて違和感があれば、お医者さんに診てもらう事は可能です。

 

加齢でなる薄毛

一方、AGAではなく、加齢が原因で薄毛になるというのは、具体的に言うと頭皮のコラーゲンが少なくなることで起きています。

コラーゲンが少ないという事は、頭皮そのものが薄くなり、それに伴って毛を作る細胞の量も減り、毛がどんどん薄くなっていくという仕組みです。

あともう一つ、毛そのものに栄養が行かないため、毛が薄くなるとかツヤが減ってくる、コシが無くなってくるという事もあります。

加齢による薄毛は、全体的に血流や栄養不足が主な原因で、生活習慣病だったり喫煙していたりすると、血管が細くなり、末端となる頭皮に栄養が行きづらくなるのです。

前項のAGAとの一番の違いは、やはり年齢に尽きます。

20代30代で抜け毛が酷くなってきた、頭頂部が薄くなってきたのはAGAの可能性が高いです。

ただ、40代50代のあたりは、AGAによる薄毛も、加齢による薄毛もどちらも混在して起きているケースがよくあります。

つまり加齢によって頭皮への栄養が減っているのと同時にAGAも発症している、という状態です。この時、急激に一気に薄くなり始めたという時は、AGAの可能性が高いですので注意してください。

 

春と秋は抜け毛が増える季節

ちなみに、実は1年の中でも春と秋は抜け毛が増える季節とされています。

人間の毛の生え変わりのタイミングが、1年の中で春と秋になっていることが多いので、そのころに抜け毛がなんとなく多い気がする、というのはそれほど気にしなくて大丈夫です。

例えば、一時抜け毛が増えたけど、時間が経つごとに抜け毛がおさまってきた、というような時は季節による可能性が高いです。

逆に季節を問わず普段から抜け毛が多くなってきた、日に日に抜け毛が増えてきた、お風呂場の排水口が妙に詰まるようになってきた、という時はAGA等の可能性がありますので、注意してください。

 

薄毛の予防、治療

この薄毛への予防や治療については、まず加齢による薄毛については以前380回の配信で触れております。

前述したように、栄養不足や生活習慣病から来ているので、まずはそれを改善することから始めて見てください。

例えばストレス解消や栄養バランスの見直しはもちろんですが、頭皮マッサージで血流を良くするのも重要です。またお薬で言うと育毛剤は、血流を良くする成分が主で、毛そのものに作用する発毛剤とは大きく勝手が異なります。

発毛剤がおすすめなのは、AGAの疑いがある場合です。

ただ注意が必要なのが、使ってもなかなか効果が出ず、時間がかかるという点です。

前述のサイクルで、休んでいる部分の毛根はおよそ3か月か4か月程度あり、その部分が再度活性化するまでお薬を使い続ける必要があるので、出来れば半年ほどは使わなければ効果が実感しにくいのです。

もし万が一、突然びっくりするぐらい抜け毛が多いと思ったときは、すぐにお医者さんにかかるのも手ですが、こちらも前述したように季節的な問題もあるので、それを踏まえて考えていただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属