毛ってなんで生えてくるの?脱毛していいの?#510

Voicy更新しましたっ!

今回は前回に続いて、毛のお話

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「毛」は何で必要なの?

今回も、前回に引き続いて、毛に関するお話です。

今回は薄毛ではなく、そもそもなんで「毛」が必要なのか、そして「ムダ毛」「脱毛」と言ったことも含めてお伝えしていきたいと思います。

 

「毛」が持つ役割

まず初めに、人間の体に生える「毛」には様々な役割があります。

例えば、外側にある毛の例だと、何かが体の近くにあるという感覚が、直接肌に触れる前に分かると思います。

もし毛が無ければ、肌にじかに触れるまで気付かないという事になります。

また、汗が出る汗腺という穴がありますが、そこに細菌やウイルスなどの異物が入らないようにするべく、そこから毛が生えてくる仕組みになっています。

これに関連してまつげや眉毛、鼻毛もそれぞれ目や鼻の中に異物が入り込まないように守るための、フィルターとしての役割があります。

そして、外部からの衝撃から守るクッションとしての役割もあります。例えば腋は皮膚同士が擦れるところなので、腋毛が無いと皮膚が傷ついてしまいますが、これを防ぐために、多めの毛が生えるようになっています。

他にも、体温の維持、防寒のために生えているとか、さらには体の中では処理できない毒素を体外に出すために使うこともあります。

例えばヒ素などの検査で、髪の毛を調べたところで陽性反応が出た、と言うようなニュースがたまにあると思いますが、これはこの働きを利用したものです。

最後に、現代で生きる人にとってはあまり必要ないですが、陰毛においては汗を溜めて、においを溜めるというのも、陰毛の役割の一つとなっています。これはどういうことかというと、動物として、異性を引き付けるフェロモンを発するためにある機能とされています。

今でも役立つ機能から、役に立たない機能まで、あらゆる働きがありますが、そういった「毛」を脱毛するデメリットは少なからず存在します。

 

脱毛のデメリット

まず一番大きな問題が、汗です。

毛は汗を溜めることができますが、毛が無いと汗が直接肌を流れることになり、下着や衣服に直接付着して汗ジミの大きな原因になるとか、その部分の肌荒れのリスクも大きく高まり、皮膚が乾燥しやすくなるのもデメリットと言えます。

また永久脱毛の場合は、当然ながら名前の通り永久に生えてこなくなる処理のことですので、元に戻したいと思っても戻らなくなります。

その分、永久脱毛が完了するまでは非常に時間がかかりますので、完了する前に翻意して取りやめるという事も出来ますが、工程が進んでいると、取りやめてもだいぶ薄くなった状態のままで治らない、という事もあります。

永久脱毛をする前には必ず、後悔しないようにきちんと考えて行うようにしてください。

 

脱毛の種類

一般的に、毛の処理と言えばシェーバーやカミソリで剃るのが主ですが、いずれも皮膚を傷つける恐れがあり、特に腋はカミソリ負けを起こしやすいので、非常に難しいです。

「脱毛」というと、まず家で出来るのは脱毛クリームが挙げられます。

皮膚に塗って、水で流すときれいにとれるというものですが、当然ながらお肌には大きな負担で、何らかのトラブルの元となる可能性があります。それを防ぐために、パッチテストができる商品もありますので、事前に試してみるのが安全です。

またテレビ番組の罰ゲームなどでたまに行われる、ブラジリアンワックスというものもあります。

クリームのようにその部分に塗って、しばらく置いてから一気に剝がすように取る、というものですが、実は自分もやったことがありますが見た目ほど痛みはありません。

確かにある程度の痛みはありますが、個人的には大げさにリアクションをするほどではないと思いました。

後はやはり、お店で行う脱毛があります。

医療用レーザーで行う脱毛クリニックと、医療用ではないレーザーを使うエステとしての脱毛サロンの2種類があります。

エステで行う、いわゆる光脱毛は、生える頻度が徐々に落ちてくるという仕組みですので、完全な永久脱毛にはなりません。かなり時間がかかりますが、やがては再度生えてくる可能性があるタイプ、と言えます。

一方で医療用のレーザー脱毛は、本物の永久脱毛が出来るタイプで、麻酔をかけながら行うほど痛みが非常に強いのが特徴です。痛みだけで言うと、エステでの光脱毛よりも遥かに強いと思って差し支えありません。

また、エステでもクリニックでも、アレルギー反応や色素沈着で施術箇所が黒ずむことがありますので注意してください。

きちんとしたところであれば、施術前の事前説明で、しっかりとその旨について教えてくれるはずですが、これを省くところももしかしたらあるかもしれませんので、忘れずにチェックしてみてください。

 

 

 

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属