賢く使って健康に!トクホなど保健機能食品の使い方#515

Voicy更新しましたっ!

今回は前回少し出てきた、トクホの食料品に関するお話

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特定保健用食品?保健機能食品?

前回、トクホの食品を活用して、糖の吸収を抑える、という事が出てきました。

また自分の知り合いとの会話の中でも少し「トクホ」についての話題が出たので、今回はこれについて詳しくお伝えしていきたいと思います。

一般食品と、保健機能食品

食品と公的に定義されているものには、一般食品ともう一つ、保健機能食品というものがあります。

「納豆」を例にすると、様々なメーカーから、たくさんの種類が売っていると思います。

そして納豆は発酵食品で、血液がサラサラになる効果が期待でき、体にとても良い食品になります。

しかし、パッケージに「この納豆を食べると血液がサラサラになる」と書いたら違法になります。

そのように記載するためには、一定の根拠を示して、保健機能食品とする必要があります。

ちなみに、健康補助食品とか、栄養補助食品という風に販売しているものもありますが、それも全て公的には一般食品になり、はっきりとした効果効能をうたったら違法になります。

保健機能食品は、そこからさらに、栄養機能食品と特定保健用食品、機能性表示食品の3種類に分かれます。

3種類の保健機能食品

順に説明していくと、まず最初の栄養機能食品は、ビタミンやミネラルのような、指定の成分を基準の一定量含んでいる食品の事です。

ビタミンであればビタミンを何mg、ミネラルであればカルシウムや鉄分、マグネシウムが何mg入っている、という食品が栄養機能食品です。

これは単純に、効能や効果は医薬品レベルで認められているものが該当しますので、安全性も確認済みで、そう言ったものの根拠をメーカーが示す必要はないタイプです。

次の特定保健用食品が、健康維持、健康増進に役立つ食品という事が一定の根拠により認められ、その趣旨の表示が公式に許可された食品の事です。

簡単に言うと国が安全性や効果を審査したもの、となります。

ですので「トクホ」と一口に言っても、実はその許可を得られるまでには非常に時間がかかり、メーカーの努力も大変なものになります。そしてその分、表示されている効果は医薬品ほどではありませんが、かなりしっかりと得られます。

最後の機能性表示食品は、その事業者、メーカーの責任において、科学的根拠に基づいた機能を表示した食品、となります。

これを簡単に言うと、国はそれについて詳しく審査してないものの、開発者がきちんと科学的根拠に基づいて調べたデータを国に見せ、それで許可できたもののことです。

詳しく成分やその効果を国が審査するのではなく、根拠のある信頼できるデータを持っていき、これにはこういう機能がある、という事をメーカーが見せて、国が許可をしたというタイプです。

3種類の保健機能食品の使い分け

それぞれ微妙に異なる3種類ですが、この使い分け方としては、まず栄養機能食品は単純に栄養不足の時におすすめです。

ビタミン不足であればビタミンの栄養機能が認められたもの、鉄分であれば鉄分、という風に使うのが一番です。

特定保健用食品と機能性表示食品は、どちらも効果効能を表示しているので、必要な方を選んで大丈夫です。

た例えばトクホだと、前回触れた血中コレステロールを減らすお茶や、食事からの脂肪吸収を抑えるコーラなどのジュースがあるとか、歯垢の生成を抑えるキシリトールガムもあります。

一方の機能性表示食品は、例えばクエン酸が特に多い飲料なんかでは「生活の疲労感を軽減する」、という風に書いています。

またウコンの飲料は二日酔いに効果があることで有名ですが、ラベルには肝機能が改善されると書いてあったり、グルコサミンの食品では関節軟骨が維持できる、という風に表示されています。

どちらも同じように効果や効能が表示されていますので、トクホだから良くて機能性表示食品はそれほどでもない、という事はありません。

医薬品ではないので注意

ただ一番注意して欲しいのが、いずれのものにしても、医薬品ほどの効果はないという点です。

例えば、血圧が高いという事で通院されていてお薬を飲んでいた方が、血圧に良いというトクホの食品をとり始めたから薬を飲むのを辞める、という事は決してしないでください。

効果を過信し過ぎないで、お薬が処方されているのであれば、それをきちんと飲んでください。

そして保健機能食品は、ほとんどの場合は薬と一緒に飲んでも問題ありませんので、お薬を飲むのを辞めずに、トクホや機能性表示食品をとる、という風にしてください。

もし気になる場合は、もちろん遠慮せずに、薬剤師やお医者さんに確認していただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属