血圧はどうやって下げる?食事・運動・生活習慣は?#567

Voicy更新しましたっ!

今回は前回に続いて、血圧を下げることに関するお話

健康情報を声で聞ける!

医療・健康ナビ なくすりーなはこちらから聞いてみて下さいね^^v

血圧を下げるために

今回は前回に続いて、血圧のお話しです。

高血圧の改善というと、前回も軽く触れたように食生活や生活習慣を見直す、運動をするといったことが基本です。

これは血圧に関すること以外でも大切で、voicyでも何度も触れてきています。

今回はそこから一歩踏み込んで、より具体的に、血圧を下げるために大切なことを詳しく掘り下げていければと思いますので、是非参考にしていただければ幸いです。

塩分を「1グラム」減らす

高血圧改善の食事で一番重要なのが「塩分量です。

健康日本21という、厚労省が行う取り組みの中での調査で、現在の日本人は平均で1日12グラムの塩分をとっている、とされています。

高血圧ですでにお医者さんとお話しされている方は、食事についての指導で6グラムまで減らすように、と言われていると思います。

単純に今の食事から半分ほど塩分を減らす、ということですが、塩分を一気に減らすのは難しく、続きません。

血圧が高い方は、自然と味が濃い食事が多いため、塩分を半分にすると味が大幅に変わるため、無理に食生活を変えても長続きせず逆にストレスになります。

塩分は1グラム減らすだけで、血圧が1mmHg下がると言われていますので、わずかにでも大丈夫ですので減らしてみてください。

これは例えばお醤油やお味噌一つでも減塩のものを使う、塩分が少ないスパイス系の香辛料を増やす、そしてもちろん野菜や果物と言った塩分の少ない物を使って味付けする、という風に対策してください。

麺類の汁は出来るだけ飲まない・加工食品も減らす

注意が必要なのが麺類の汁と出来合いのお惣菜のような加工食品です。

ラーメンは当然ながら、おそばやうどんなど、麺類の汁は全般的に塩分が多いので、麺類を食べる頻度を減らすとか、汁を出来るだけ飲まないようにするだけでも塩分の摂取量は減ります。

そしてお惣菜や加工食品は、塩分を多くして味を濃くしていることが多いため、それらの量を減らすのも減塩につながります。

定期的な有酸素運動は血圧を下げる

運動についてですが毎日10分ほど、1週間当たりではトータル150分ほど有酸素運動増やすと、血圧が4から9mmHg下がるとされています。

有酸素運動ですので、基本的にはほぼ何でも大丈夫です。出来るだけ長く続けられるような、好きな運動をいくつも試してみるだけでも充分効果的です。

とにかく大の運動嫌いという方は、万歩計を付けて歩数をカウントしてみてください。

実は、万歩計を使うと、人間は1日当たり2000歩ほど歩く距離が増えるとされています。

歩いた数がはっきりと示されると、自然と歩数が稼げるように歩いたり、数を意識していつも歩いていないようなところを歩くことが多いため、自然と運動量が増えるのです。

普段よりも1日2000歩、歩数が増えるということは1日20分有酸素運動が増えることになるため、1週間で140分となり、血圧を下げる効果が大きく期待できます。

そして筋トレはカテゴリで言うと有酸素運動ではないため、血圧に対しては効果が薄いです。

ですが、前項と同じ時間だけ筋トレ運動をすると2から5mmHgほど血圧が下がるため、効果が全くないわけではありません。

また、例えば糖尿の方であれば筋トレをすることで筋肉量が増え、糖の消費量が上がるため改善につながり、当然代謝も上がるので健康には充分大切な部分になります。

ダイエットはもちろん大切

ちなみに言うまでもなく、ダイエットはもちろん血圧の改善に効果的です。

肥満を伴っての高血圧の場合、体重を1キロ減らすごとに0.5から2mmHg下がります。

ですので、5キロ減ると2.5から10mmHg下がることになります。

これはその人の元の体重、体格によって幅が生まれますが、体重を減らすことが血圧には充分良い効果があります。

タバコは辞めるのがおすすめ・お酒は量を減らす

最後に、タバコとお酒についてですが、タバコは血圧という点では非常に危険で、大敵ともいえる存在です。

タバコを1本数と、吸った瞬間は一時的に20mmHgほど上がるとされています。

ニコチンには血管を収縮させる作用があるため、摂取することで血管が一気に細くなり、血圧が急激に上昇するのです。

血圧のことを考えると、タバコは本数を減らすのではなく完全に辞めることが一番おすすめです。

自力で辞めるのはストレスにもなりますので、出来れば禁煙外来で、きちんとお薬を使ってお医者さんと共に禁煙していくと、無理なくスムーズに辞められますので便利です。

お酒も多いと血圧には悪影響で、量が減ることで血圧が下がることが分かっています。

目安としては、男性の場合で1日当たりビール中ジョッキ1杯、グラスワイン1杯ほど、女性や体重が軽い人はこの半分の量がベストです。

このぐらいの量に収めると、およそ2から4mmHg下がるとされています。

1日の量で考えると少なめに思われるかもしれませんが、これも運動のように1週間でトータルで考えて、1日休肝日を設けるとして、ビール中ジョッキ6杯分、もしくはグラスワイン6杯分、どこかで飲んであとは次週まで飲まないという風に決め方で大丈夫です。

ちなみにアルコールで血管が少し開いて血圧が下げる、と聞いたことがあるかもしれませんが、確かにアルコールの作用で一瞬は下がりますが、お酒が代謝されてできるアセトアルデヒドには血圧をあげる働きがあるため、飲むことで結果的に血圧が上がります。

血圧に不安がある方はこれらのことを気を付けてみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属