冬本番は乾燥肌に注意!#579

冬こそ気を付けたい「乾燥肌」

年末年始、全国的に積雪が見られるなど激しい「寒波」が到来しました。

冬は毎年冷えが厳しく、乾燥する季節ですが、最近は患者さんでも「乾燥肌」「乾皮症」で来られる方が増えてきました。

今回は、例年よりも一層厳しい冬を健康に乗り切るために、「乾燥肌」について今一度詳しく触れていきたいと思います。

お肌から水分と油分が不足している状態

乾燥肌とは、お肌から水分と油分が抜けて、不足している状態です。

何らかの原因により、お肌の一番外側にある「角質層」が弱くなって、すき間が生まれることで、内側にある水分や油分が抜けて行き、さらにすき間が広がって乾燥していく、ということです。

この状態では、外にある雑菌やウイルスなどと言った刺激物が皮膚の中に入りやすいため、例えば炎症が起きてニキビになったり、かゆみや痛み、アレルギー反応が出る、といったことが起きます。

ちなみに今回は割愛しますが、体質的に刺激物質に反応しやすく、お肌が過剰に反応するという場合は「アトピー性皮膚炎」という別の病になります。

冬は乾燥、夏は紫外線が大きなダメージに

冬は乾燥肌になりやすいと言われますが、もともと冬は外の空気が乾燥しているため、お肌が乾きやすく、角質層に多大なダメージになるのです。

ですが、夏場でも強い紫外線によって角質層が弱くなるため、乾燥肌のリスクは充分あります。

他には洗顔時やお風呂の時に、お肌をこすりすぎて角質層に傷がつくとか、さらには42℃以上の熱いお湯も、表面の油分を流してしまい、結果的にダメージとなることがありますので、注意してください。

お肌にはビタミンB群が大切

栄養素で言うと、お肌にはビタミンB群が必要で、これが不足することでも乾燥肌になりやすくなります。

角質層はおよそ4週間から6週間のサイクルで、古い物から新しい物へと生まれ変わる、いわゆる「ターンオーバー」をします。

ビタミンB群はターンオーバーの働きを助け、整える働きもあるため、不足することでお肌の入れ替わりが上手くいかなくなり、古い角質が残ったままになる恐れがあります。

ビタミンはいずれも人間にとって大切ですが、お肌に関してはB群の補給も忘れないで気を付けて行きましょう。

湿度を維持して乾燥肌対策

乾燥肌対策としては、やはり「湿度」が大切です。

高すぎると逆効果でお肌には悪いですが、適度な湿度は必要ですので、この時期だけ加湿器を使うのは非常におすすめです。

適度な湿度があると、喉の保護にもつながるため風邪やウイルス予防にも役立ちます。

また、紫外線は冬も強く射しますので、冬場でも日焼け止めグッズを使うのも、乾燥肌対策につながります。

そして前項にもつながり見明日が、お風呂の時に体を洗う際、お肌をこすり過ぎないようにするのも重要です。

石鹸やボディソープをしっかりと泡立てて、泡を肌に乗せてそれを伸ばすように洗うのがベストです。

また、タレントのタモリさんが実践しているとされる、タモリ式入浴法という入り方があります。

38℃ぐらいのお湯に、10分ほど浸かるだけで、体は特に洗わず、石鹸もボディソープも使わずに上がるというものです。

実は、お風呂に10分ほど浸かるだけでも全体の8割程度の汚れは落ち、残りの2割もそれほど汚いものではないレベルの油分などですので、残っている方がかえって外部からの刺激から守るのに役立ちます。

ただし、お風呂上りに体についている水分、水滴は、乾いて乾燥する原因になるので、それはきちんと拭いて、それから保湿のケアをするようにしてください。

例えば夏場は暑いからお風呂上りはそのまま風に当たったりして、保湿しなくても良さそうに思われますが、お風呂上り後は体内の水分が失われるので、季節を問わずきちんと保湿してください。

また、もし何らかの虫刺されのような炎症があって、かゆみがある場合はステロイドの塗り薬などで一旦かゆみをとって、それから保湿をきちんとしていってください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属